MFCの野望・瑞穂将星録
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「MFCの野望」「MFCの野望・瑞穂群雄伝」「MFCの野望・瑞穂風雲録」
「MFCの野望・瑞穂覇王伝」「MFCの野望・瑞穂天翔記」の続編
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「う~ん…」
ソファーに座るその姿は、絵画や物語に出てくる貴婦人を彷彿とさせる。
宝石を連想させる亜麻色の長い髪…上質の陶磁器の様な肌…。
悩ましげな表情を浮かべ、何かを思案している様子であるが、その立ち振る舞いも美しく、おそらくほとんどの人間が、その姿に魅了される事であろう…。
しかし、当の本人は、自分のその様な自分の姿を、ただ情けないと感じているのであった。
その傍らに、1人の女性が近づいてきた…
「何を…お考えになっているのですか…?」
その声に、微笑を浮かべて振り向く…
「ふふ…ちょっとね…紫苑…」
ここは鏑木邸の一室。
都会の喧騒から遠く離れ、庭に面する窓から新緑の風が薫り、日差しは初夏の陽気を感じさせる。
そんな空気の中で思案に暮れていたのは、鏑木家嫡男で鏑木テクスタイルプランニング社長である鏑木瑞穂。
その傍らで、瑞穂に声をかけた女性は、その妻である紫苑。
「なにか随分、考えてらした様ですけれども…どうなされたのですか?」
先ほどまでの瑞穂の様子に、紫苑は少し心配な表情を浮かべていた。
そんなに心配されるような事を考えていたわけではないので、逆に瑞穂は気恥ずかしさを感じてしまうくらいであったのだが、瑞穂を見つめる紫苑のその眼差しは、全てを見通されてしまいそうな雰囲気を持っており、適当な誤魔化しなどは通じそうにない。
あまり気は進まなかったが、紫苑に話すことで何か良い案も浮ぶかもしれないと、瑞穂は考えていたことを正直に話すことにした。
「えっと…実はまりやの誕生日のことで…」
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